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地下ピットは何のためにあるの?

マンションの図面などを見た際に『地下ピット』という言葉を目にした事はありませんか?

この地下ピットとは、地下に設けられた配管を通すための空間の事を言います。 今回はそんな地下ピットの役割や、必要性についてご紹介していきます。

地下ピットとは?

『ピット』という言葉を日本語に訳すと『穴・竪穴、坑内』という意味ですが、建設業でいうピットとは、建物の基礎部分となる地中梁と地中梁の間にできた平面的なスペースのことを言います。(ちなみに縦方向はシャフトと呼ばれています)

マンションなどの地下には、『地下ピット』という空間があり、給水管・排水管・ガス管などの配管を修理・交換するための作業スペースになっています。この地下ピットに配管を通す事によって修理・交換などのメンテナンスが容易になるだけでなく、住居スペースに湿気が上がりにくくなったり、断熱性が良くなるといったメリットがあります。
一般的には、地下ピットが主流ですが、上階と下階で配管が分けられているマンションの場合には境目となる中間階にピットを設置し、配管の設備をまとめて管理する場合もあります。
ピットは必ずしも必要というわけではないので、古い建物の場合はピットが設置されていなかったり、あったとしても土で埋められている事があります。

ピットが設置されていない建物の場合、土中の配管で不具合があった場合に一度土を掘り返す必要があったり、土中の配管は地震や、建設工事の影響で破損する可能性があるといったデメリットがあります。ピットの設置は義務ではありませんが、建物を管理していくうえで設置するメリットは大きいと言えます。

マンションの地下ピットについて

自宅のマンションには地下ピットがないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、マンションの地下ピットの入口は共用廊下の壁や床などに設置されている場合が多く、普段気づかずに通り過ぎているかもしれません。
地下ピット内は危険もあるため、普段は住民が立ち入らないように専用の工具を使用しないと蓋が開けられないようになっています。

先ほどもご紹介したように、地下ピットの主な役割は配管の修理・交換などのメンテナンスを容易にする事です。 大規模なマンションやビルの場合でも、配管をピットにまとめることで、複雑な連結が可能になります。

地下ピットの構造

地下ピットは1階のスラブの下にスラブ、または土間コンクリートを設置して作ります。

ピットの床は土に面しているため、耐久性の高い鉄筋コンクリート造としますが、スラブか土間コンクリートにするかは建築物ごとに判断する必要があります。沈下の恐れなどがない良好な地盤の場合は土間コンクリートでも良いと思いますが、地盤の強度があまりない時はスラブにすれば地盤が沈下しても、スラブ自体が荷重を支えるためスラブにした方が安心です。
また、地下ピットの高さはメンテナンスや配管を通すために必要な寸法から計算して決めます。ピット内を人が通れるようにする場合は人通孔を設ける必要があり、人通孔の設置を考慮すると、地中梁の高さは1,800mm程度となります。このようにピットの高さや構造は、建物や地盤の状況に合わせて適切に設計されています。

地下ピット内はどうなっているのか?

地下ピットの内部は室内のように内装材で仕上げがされていませんので、コンクリートがむき出しの状態になっています。そのため、施工不良や経年や地震などによるひび割れのなどの不具合が容易にわかります。ただし、地下ピットには照明器具がなく真っ暗なため、中の状況を確認する際には広範囲を照らせる照明器具を持って入る必要があります。
また、狭い造りの為、調査や点検時はかがんだり伏せたりしながら移動する必要があります。更に、地下ピットは頻繁に人が立ち入る場所ではないため長時間滞在することは想定されておらず換気扇や換気口などがない密閉空間になっています。
そのため、作業中に酸素欠乏症にならないように注意が必要です。

このように地下ピット内での作業は危険を伴うため、作業の際には労働安全衛生法第14条の規定に基づき、「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習」を受講した人間が、作業責任者としている必要があります。
地下ピット内を調査・点検するときはコンクリートや配管の状態に問題がないか、雨水などが大量に長期間滞留していないか等を確認します。定期的に調査を行うことによって不具合箇所の早期発見に繋がります。今まで一度も調査を行った事がない建物の場合は、専門の業者に調査してもらうことをおすすめいたします。

地下ピットの漏水

メンテナンスのために設置される地下ピットですが、地下ピットそのものにメンテナンスが必要な時もあります。

ピットは基本的に土中にコンクリートを打設してつくるため、はじめは防水性能があっても地震によるひび割れがなどの経年劣化によって雨が滲んだり、湧水が発生してしまいます。本来であれば勾配によって溜まった水が釜場と言われるピット内の排水溝に流れていくのですが、床勾配がキチンと取れていなかったり、ピット内の排水管の勾配がとれていないと、部分的に水が溜まってそこから雑菌が繁殖したり悪臭が発生する恐れがあります。
コンクリートは乾燥収縮によりひび割れが少なからず発生するため、このひび割れから水分が浸透していき、内部鉄筋の錆を誘発することにもなります。また、錆びによってコンクリート内の鉄筋の体積が増え、周囲のコンクリートを押しのけるように破壊させてしまう恐れもあり、建物の耐久性にも影響を及ぼす可能性があります。

こういった不具合を防ぐためには釜場に湧水ポンプを設置する必要があります。 湧水ポンプは地下ピット内に水が入り込んだ際に外部へ排水するためのポンプになります。釜場による排水は、部分的に水を溜める部分をつくるだけなので少ない水量しか対応できません。そのため、湧き出る地下水が多い場合に湧水ポンプを設置する事をおすすめいたします。

いかがでしたでしょうか?
今回は地下ピットについて詳しくご紹介してきました。地下ピットは普段見えていない部分ですが、建物を維持・管理するための大切な役割を担っているという事がわかりました。ご紹介したように、地下ピットそのものにメンテナンスが必要な時もありますので不具合が起きた際、早期発見するためにも定期的に点検する事をおすすめいたします。

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