わたしたちが毎日何気なく利用している水はどのようにして蛇口まで運ばれてきているのでしょうか。
人が1日で使用する水の量はどのくらいでしょうか。
今回は水の利用量や給水口までどのようにしてやってくるかをお伝えします。
人が1日で使用する水の量はどのくらい?
国や地域、ライフスタイルにより差が生じますが、1人が1日に利用する水の量は、日本で平均すると、
キッチン・洗面・トイレ・風呂・洗濯を含めた場合で、約200~250Lといわれています。
水はどのように蛇口までやってくるの?
ここからは水がどのようにしてご家庭の蛇口まで運ばれてくるのかを紹介していきます。
雨水が飲水になるまで
1. ダムに貯水する
雨がふり、山や海から川へ流れ、やがて私たちが普段利用している水道水となっています。
川の水量は季節や天気によって変動し、雨が少ない年は渇水してしまうこともあります。
そういったことを防止する為に、降った雨を貯水しておくのがダムの役割です。
こうしてダムに雨水をためておくことで、必要な時にきちんと水が確保できるようにできているのです。
また、ダムには水力発電や洪水などを防ぐ役目もあります。
2.取水口から浄水場へ送る
川の水やダムからの水は、取水口から浄水場へと送られます。
そして浄水場で水を浄化します。
主に浄水場では、水に含まれる砂や土といった汚れを沈殿させて取り除いた後に、塩素を入れて鉄やアンモニアなどを取り除いています。
3. 配水場・ポンプ場に貯水する
浄水場できれいにされた水は、企業が運営する配水場内にある配水池に、ためておきます。
そしてコンピューターで管理されて、配水管や給水管を通って各家庭に届けられています。
川の水や雨水を原水として、浄水場でしっかり浄化された飲用水は毎日こうやってご自宅の給水口へ運ばれてきています。
マンション等2階以上のところにどのように供給されているの?
水は高いところから低いところへ流れます。
では、マンションなどの高いところにはどのように供給されているのでしょうか。
実は方法は様々です。
マンション別給水方式
マンションの給水方式には大きく4種類の方法があります。
給水方式により、使用におけるメリットやデメリットは異なりますので、万一に備えてご自宅の給水方式を確認してみるようお勧めします。
①高架水槽方式
受水槽に貯めた水を屋上の高架水槽へ送り、重力を利用して各戸に給水する方法
メリット :万一断水しても、受水槽・高置水槽に貯水されている分の水は一時的に使用できます。
デメリット:高層階では水が出にくくなり屋上高置水槽は震災の揺れで破損することもあります。
②加圧給水方式
水道管から受水槽に貯めた水を吸水ポンプで、直接各戸へ給水する方法
メリット :受水槽に貯水されている水は一時的に使用できます。
デメリット:停電時にはポンプが作動不可能なので、使用するには受水槽から直接組み出すことが必要になります。
③直結増圧方式
水道管から給水ポンプによって直接各戸に給水する方法
メリット :断水・停電でもポンプの仕様によっては1階~2階くらいまでは水が出る様になっています。
デメリット:中層・高層には水が出ないことと、受水槽がない為に緊急時の水を組み出すこともできません。
④直結直圧方式
主に3階までの建物対象(地域により階数制限は異なる)で公共水道の圧力で直接各水栓に給水する方法
メリット :配水管の水圧を有効利用できるため、建築物内での動力費が節減できる。受水槽や高置水槽および給水ポンプの設置不要なので水槽等の清掃も設置スペースも不要
デメリット:断水を伴う水道工事や漏水などによる修理工事が発生した場合、すぐに断水したり水の出が悪くなってしまいます。
災害により水道が使用できなくなった時、どこへ行けば水をもらう事ができるの?
東京都水道局では、地域によって震災時の飲み水を確保するため、お住まいからおよそ半径2kmの距離内に1か所というように、
災害時給水ステーション(給水拠点)を設けるとされています。
何故節水が必要なの?
地球の70%が水でおおわれています。水はたくさんありますが、そのうちの約97.5%は海水です。
その残りが淡水(人が飲むことのできる水)の量であるという事はなかなか知られていないかもしれません。
先にご説明した通り、私たちが飲み水として利用しているのは海水ではなく雨水や川の水です。
そして、水をきれいにするための浄水場、汚れた水を浄化する為の下水処理場、様々な場所に水を届けるポンプなど、私たちが水を使うと、
あらゆる場所でエネルギーが消費されています。
そしてCO2(二酸化炭素)が発生します。CO2は排出量が多く、温暖化への影響を及ぼします。
現在の日本では水道からの水を飲んでも赤痢や伝染病になる心配のない、衛生的な水を惜しみなく利用できる環境ですが、私たちの生活の中で欠かす
ことのできない資源の『水』は決して無限ではなく、貴重な資源です。
水は日々当たり前に利用する事ができますが、歯磨きや手洗い、食器洗いの際に水を出しっぱなしにしないようにする等、節水を心がけて
水を大切に使うようにしてみてください。
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