水は生命の源です。古来から人間やあらゆる生き物の生活に密着しており、現代でも人間の生活において欠かすことができません。
飲み水として、調理やお掃除に、風呂水用に、トイレの排水に、と、挙げればまだまだ用途はありますが、公共施設でも工場でも惜しみなく使用されています。
そして水の使用量と同時に排水量はほぼ比例しているので、人間が水を使用すれば使用した分排水量も同等となるというわけです。
当たり前の事なのですが、水道使用料金の請求に伴い、水道使用量を気に掛ける事はあっても、排水量に対しての料金を請求される事はない為、
日常的に排水量を気に掛ける方は少ないかもしれません。
使用後、汚水となった水は休むことなく排水されています。そして下水道を通って下水処理場へ向かいます。
水道を流れる水はいったいどのくらいのスピードで流れているのでしょうか?
車の速度の様に急流なのでしょうか、それともゆったりとせせらぎのように流れているのでしょうか。
実際の下水の水流速度は「 時速4km程 」といわれています。
時速4㎞といえば、人が歩く速度くらいとなります。
下水管は傾いていて、自然と水が流れていくような形状になっています。
水を自然流下させるための管路の傾斜度は、緩くすると管路内に土砂や汚物が蓄積しやすく、
傾斜度を急にすると水流速度が速まり、管路が摩耗しやすいため、適正傾斜度が定められています。
下水道とは
下水道は、雨水や汚水を、地下水路などで集めた後に下水処理場へ運ぶ為の設備です。
雨水
降水および、雪解け水を指します。
路面など、地表の水が対象で、河川水や地下水は対象から除外されます。
汚水
水洗式便所からの屎尿や、家庭における生活排水と、公共施設や工場からの産業排水があります。
下水道には下水処理場にたどり着くまでの方法で「合流式」と「分流式」があります。
・合流式
合流式下水道は、汚水と雨水を同じ管(合流管)で流します。集めた下水は下水処理場で浄化されて、また公共水域に戻されます。
合流式は、埋設する管が1本で済むため、狭い道路にも設置しやすく、工事が簡単且つ低コストです。
また、少ない雨量であれば、雨水も下水処理場で浄化させてから公共水域に戻す事が可能ですが、近年ではゲリラ豪雨発生等の気象状況変化に伴い、
合流管の容量を越える大雨が頻発しています。このような豪雨の際は路面上の雨水と家庭排水や産業排水が溢れかえり、汚水が大量に混入した雨水がそのまま
公共水域へ侵出してしまう場合もあります。
・分流式
分流式下水道は、汚水と雨水を分けて流します。汚水は浄化センターで処理し、雨水は直接河川へ流します。
東京の下水道は合流式？分流式？
東京都の下水道は8割程が合流式です。
このような現状からの改善対策として、合流式下水道から放流される総汚濁負荷量を、分流式下水道と同程度まで削減することを目的に、
豪雨の際に溢れた汚水や雨水を、一旦留めておく事ができる貯留地へ導水させ、降雨後に処理センターへ送ることができる設備を整えたり、
少しずつ改善対策は進められています。
衛生的で水の豊かな国と知られているこの日本の環境をキレイに保つ為には、ひとりひとりの生活の場から環境汚染物質を流出させない
心がけが求められているのかもしれません。
人ひとりが1日で使用する水の量はどのくらいでしょうか。
国や地域、ライフスタイルにより差が生じますが、平均すると日本の場合、キッチン・洗面・トイレ・風呂・洗濯を含めた場合で、
人ひとりが1日で使用する水の量は約200~250Ｌといわれています。
つまり、約250Ｌの水が日本全国の世帯分毎日排出されているという事にもなります。
雨量をコントロールする事はなかなか難しいところですが、例えばトイレの場合は適切な使用量のトイレットペーパー以外は流さない様にしたり、
調理後の油を流さないようにしたり、微生物を弱体化させる塩素系洗剤は避けて、非塩素系の洗剤を使用するようにしてみたり、湯舟に貯めたお湯を
排水するタイミングを豪雨が止んだ後にずらしてみたり、タバコやゴミを安易に路上投棄しない様にする等、ちょっとした心がけですが、大勢の人々が
このちょっとした事を心がけた場合は変化が大きいはずです。
また、一般的なメンテナンスでも対処しきれない排水管部分の詰りや汚れはどうしても発生してしまうものです。最後に排水管のメンテナンスをされたのはいつ頃ですか？
見えない箇所で不具合が起きているかもしれないと不安になられたそんな時は業者に依頼をして検査や適切な対処を施してもらうと安心です。
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