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新幹線のトイレの仕組みはどうなっているの?

新幹線で長距離を移動する際、車内のトイレを利用する方も多いのではないでしょうか?

最近の新幹線は車両も綺麗になり、トイレもウォシュレット機能が付いたものなど便利になってきています。

実際に利用した事があっても仕組みがどうなっているのかはご存じない方も多いと思います。

そこで今回は新幹線のトイレの歴史と仕組みについてご紹介していきます!

列車のトイレの歴史

仕組みをご紹介していく前にまずは列車のトイレの歴史からご紹介していきます。

1872年日本で最初の鉄道が開業した時には車両にトイレはなく、

1876年に製造された御料車(天皇及び皇族が乗車するための特別な車両)から設置が始まりました。

一般向けの物では1880年に北海道幌内鉄道と山陽鉄道の優等車に設置されていたそうです。

1889年に国有鉄道(JRグループの前身)が東海道本線の全通をきっかけとして、三等車にもトイレを設置しました。

1900年施行された鉄道運輸規程の第32条により3時間以上運行し、

5分以上の停車時間がない場合は各車両にトイレを設置するようにと定められたため、

これをきっかけに長距離を運行するほとんどの客車にトイレが設置されました。

しかし、当時のトイレは「開放式」と呼ばれる垂れ流し式のものでした。

汚水管を線路上にそのまま開放し自然流下させるもので、便器の穴から線路が見える構造のものもあったそうです。

1960年代、国有鉄道は「粉砕式汚物処理装置」を開発しました。

これは汚物を流す際、水と一緒にタール系の処理液を混合してその後処理機で混合・粉砕して

脱臭タンクで殺菌・脱臭して車外排出するというもので寝台車など一部の車両で用いられていました。

しかし、消毒・固化しているとはいえ汚物を外部に飛散させていることに変わりはなく、

それに加えて異物の流入による装置の不具合や故障などのトラブルも多かったため、

開放式と共に1987年に国有鉄道が民営化されるまでに廃止されました。

これまでご紹介してきたような「開放式」から「タンク式」に変わったきっかけは東海道新幹線の開業でした。

高速で走る新幹線の車両で汚物を垂れ流した場合、飛沫の影響は計り知れません。

そこで、汚物を一度タンクに貯めて車両基地で抜き取るタンク式が採用されました。

その後、在来線の車両トイレにもタンク式が採用されていきました。

タンク式の仕組みは民家のくみ取りトイレと同じですが、洗浄水と合わせて大きなタンクが必要になります。

当時、東海道新幹線では乗客の使用頻度から1100ℓのタンクを取り付けていたそうですが、

東京~新大阪間の1往復だけで抜き取り作業が必要だったそうです。

車内の限られた空間の中で大容量のタンクを設置する場所は悩みのたねだった為、

その後は『循環式』が主流になっていきます。

循環式とは、予め洗浄水に消毒液や脱臭剤を混ぜておき、トイレの使用後はフィルターで洗浄水と汚物を分離し、

洗浄水を再利用するというものです。

その結果、今までは別々に必要だった汚物タンクと洗浄水タンクを1つにする事が出来ました。

汚物タンクに7割程の洗浄水をセットしておくと、2~3日で満タンになる計算です。

欠点としては機構が複雑で、汚物の抜き取りに専用の地上設備が必要になる事でした。

新幹線のトイレの仕組

列車のトイレの歴史がわかった所で、ここからは本題の新幹線のトイレの仕組みについてご紹介していきます!

現在、新幹線のトイレでは真空吸引式と清水空圧式という2つの方法が使われています。

 
■真空吸引式
のぞみやひかりなど多く新幹線で採用されているのが真空吸引式と言われる方式です。 現在の電車トイレの主流の方式で、もともと航空業界で用いられた方式を電車業界が改良したものです。  真空吸引式は空気の気圧差を利用して、汚物をタンクまで運ぶ為、最小限の水で汚物を流すことが出来るのが大きな特徴となります。 まず、便器下部にある弁を閉め、汚物タンクと弁の間を密閉します。 その後、汚物タンクを真空にして弁を開きます。 これによって空気が気圧の低いタンクの方へ一気に流れていき、瞬時に汚物タンクに吸引されるという仕組みです。便器の穴が小さいのも特徴です。 新幹線のトイレでは、便器と汚物タンクの間に一時タンクを設けて、便器と一時タンク の間で真空状態を作り、汚物の吸引を行うタイプが採用されているようです。 一時タンクから汚物タンクへは、圧縮空気の力で汚物を運んでいます。 一時タンクを設けることによって、大きな汚物タンクを真空にする必要がなくなったの で、設備や空気配管をコンパクトにすることが出来るようになりました。 これによって多くの新幹線やその他の車両にも採用されるようになりました。
■清水空圧式
はやぶさやはやてなど、最新の車両で採用されているのが清水空圧式という方式です。 清水空圧式は、少量の水を噴射して重力と水圧で汚物を便槽に落とし込む仕組みになっています。メンテナンスが容易なことも大きな特徴の一つです。 この方式は、現在は引退しているN300系の新幹線で採用されていた方式ですが、現在 主流となっている真空吸引式が広く普及した為、他の新幹線では採用されていなかった 方式です。なぜ最新の車両で再び清水空圧式が採用されたのかというと東日本大震災の 影響があると考えられます。 震災発生時、停電となった新幹線のトイレでは真空状態を作ることが出来ない為にト イレが流せない状態になりました。この時の新幹線のトイレはかなりひどい状 態だったと言われています。 こうした経験により、停電時でも洗浄する事ができる清水空圧式が見直され、採用され たと考えられます。 今後さらに清水空圧式が普及していくようになるかもしれません。
   

緊急時のトイレの仕組みはどうなるの?

万が一地震などが発生し、新幹線が長時間緊急停車をした場合、多くの人がトイレを使用する事になります。

車両にもよりますが、新幹線の汚物タンクは約700人の使用が想定されているようです。

東京・大阪・博多などの主要駅には汚物を回収する為の管があるようで、

そちらで車内掃除をしている間に同時に回収をするのが一般的になっているようです。

しかし、先ほども少し触れたように停電も起こってしまった場合、

真空吸引式のトイレ では真空状態をつくることが出来ない為、流すことができなくなってしまします。

こうした時は便座の上から簡易トイレを使用し、用を足したら凝固剤を入れて捨てることになるそうです。

 

いかがでしたでしょうか?

今回は新幹線のトイレの仕組みと歴史についてご紹介してまいりました!

普段気に留めず使用されている方も次回新幹線に乗る際はぜひ注目してみてください。

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