皆さんはマンションに共用部と専有部があるのをご存知でしょうか?
言葉からなんとなく意味を理解できているつもりでも、実際の線引きはどこ?と聞かれると
なかなか答えるのが難しいかと思います。そこで今回は、マンションの共用部と専有部の境目についてご紹介していきます。
意外と知らない?マンションの共用部と専有部
マンションは、区分所有等に関する法律(※区分所有法)によって共用部であるか、
専有部であるかが区分されています。
簡単に言うと、自分に所有権があるかないかという事です。
ちなみに不動産用語でマンションの住人の事を「区分所有者」といい、
区分所有者が持っている部屋のことを「区分所有物」といいます。
※ この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069より引用
共用部とは?
共用部とはマンションの所有者全員で共有する部分の事です。
廊下やエントランス、エレベーター、非常階段など専有部に含まれない部分はすべて共用部という事になります。
そして一見専有部分と勘違いしそうな玄関ドアや窓、ベランダも実は共用部に含まれます。
つまり所有している室内であっても外側に面している部分は基本共用部分と思ってよいという事です。
共用部は大きく分けて2種類あり、1つは区分所有法によって定められている「法定共用部分」で、
もうひとつはマンションの規約で決められている「規約共用部分」です。
法定共用部分は、自分の部屋からマンションエントランスまでをつなぐ廊下や階段や、
エレベーター・PS(パイプスペース)・など建物の躯体部分をいいます。
一方、規約共用部分は、管理組合の規約によって共用すると決められた場所のことで、駐車場や管理人室、
専用庭などがあります。
また、共用部を変更するには管理組合の総会で3/4以上の賛成意見が必要となります。
管理組合の許可なく勝手に工事などを進めてしまうと、マンション全体の構造にトラブルが起こる可能性があります
ので、共用部のものを撤去や変更したりする際は必ず管理組合に相談してください。
専有部とは?
専有部とは、単独で所有している部屋内のことをいいます。
簡単に言うとコンクリートの表面から内側のもの、壁や天井などで囲まれた内側部分のことです。
専有部であれば、自由に室内の壁紙やドアを変更する事も可能です。
【変更が可能な場所】
- 住宅設備
- キッチン・浴室・トイレ・洗面台などの住宅設備は専有部にあたるので変更が可能です。
- 住居部のドア
- 住居部のドアや戸などは専有部になりますので変更が可能です。しかし、玄関ドアは共用部となりますので変更の際には管理組合の許可が必要となります。
- 間取り
- マンションには様々な構造があり、中には間取り変更のできないものもあります。部屋の間仕切が木や軽量鉄骨で出来ているものは、基本的に間取り変更が可能です。しかし、中には間仕切の壁もコンクリートでできている物件もあります。そういった構造のマンションは大きな間取り変更ができないので注意が必要です。
- 配管
- 配管は基本的に各住戸メーター以前の給水管を専有部、配管継手及び立管は共有部とされています。専有部内にある配管であれば、基本的には交換・修理などは可能です。
- エアコン
- 例えばエアコンを複数設置したいという時にエアコンの配管が1つしかないという事もあります。壁に穴をあければ問題なく設置できそうですが、共用部の壁が絡んでくる場合もありますので管理組合や管理会社などに確認が必要となります。
先ほども少しご紹介しましたが、玄関ドアや窓、ベランダは共用部に含まれます。
しかし、共用部といってもこの部分はその部屋に住む人しか使用しません。
このような場所のことを「専用使用部分」といいます。
つまり専用使用部分を変更したい場合、例えマンションの1部屋を購入していたとしても、
勝手に変更してはならないという事です。
設備に不具合が起きた時、費用の負担はどうなるの?
共用部の場合
共用部に含まれる設備に不具合が起きた場合は、マンションの住人たちが
費用(管理費・修繕積立金)を出し合って対処していきます。
購入したお部屋のローン完済後も毎月管理費と修繕積立金は支払いが必要になります。
修繕積立金に関しては、長期修繕計画に沿って数年ごとに金額が上がる場合もあります。
長期修繕計画とは、マンションの大規模修繕や定期点検などの予定を10、20、30年と
長期を見据えて作成した計画のことを言います。
マンションの定期的な点検や修繕を通してマンション寿命の延長・快適な居住環境の確保、
そしてマンションの資産価値を維持することを目的としています。
分譲マンションを購入の際には、毎月かかる管理費や修繕積立費のことも考えて
支払い計画を立てることが大切になります。
しかし、共用部のものを破損してしまった場合は、故意かどうかにかかわらず
費用は個人で負担しなくてはいけません。
このような場合、個人賠償責任保険が使える可能性がありますので確認してみてください。
専有部の場合
専用部に不具合が起きた場合、基本的には住人が費用を負担します。
ただし、専用使用部分である玄関ドアや窓などは共用部であるため場合によっては管理組合が修理をしたり、
費用を負担したりすることがあります。
専用使用部分が破損してしまった場合、まずは管理会社に相談をしましょう。
いかがでしたでしょうか?
今回はマンションの共用部と専有部の境目についてご紹介してきました。
玄関ドアや窓、ベランダなどの専用使用部分が共用部とご存じなかった方もいらっしゃったのではないでしょうか?
特にベランダは避難はしごや避難壁の近くにものを置くことは消防法に違反しますので、
いざという時に備えて日ごろから整理しておく必要があります。
マンションの共用部は、すべての住人のものですのでマナーを守って大切に使いましょう。
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