主に給湯管に使用されている「銅管」。
紀元前2750年頃には既に用いられており、エジプトのアプシルに建設された神殿に銅管でつくられた給水管が使用されていた事がわかっています。
古くから起用されてきた銅管は、耐食性に優れており、現在も多くの集合住宅などで使われています。
現在の新設工事では給水・給湯用に銅管を殆ど使用しなくなってしまいましたが、ひと昔前の物件では主流でした。
今回は経年と共に起こりうる銅管の重要な現象についてご紹介します。
世界で初めて水道がつくられたのは、紀元前300年頃とされています。
高級品だった銅(青銅)は水栓、ポンプ、弁などに使用されました。
日本では1923年大阪で給湯用に使用されたのが初めてといわれています。
そして1932年に東京、1937年に大阪の水道用に銅管が採用されました。
銅管は加工性がよく、多くの高層ビルの配管、スプリンクラー用配管などに採用されてきました。
アメリカやヨーロッパの給水・給湯管にはほとんど銅管が採用されており、日本では給水用としての採用は少量ですが、給湯用ではほとんど採用されてきました。
銅の特徴
銅の特徴としては、表面は経年するにつれて「緑青」といって銅管が、緑と青が混ざった色に変色し保護被膜となり、銅の表面を守る役目を果たします。
銅像や神社の屋根などはこの緑青によって原型が保たれています。
銅管は熱に強く、100℃を超える流体にも耐えるという利点があります。
漏水の原因
銅管は使用年数にもよりますが、一般的に10年程から経年劣化が生じ始めます。
銅管からの漏水は、配管方法や使用頻度などにもよりますが、使用後20年以降に多く発生しています。
高温かつ高速の水流により、継手部などでは水流の乱れにより発生する気泡が、管内壁面に衝突し、損傷を与え、表面の保護皮膜が破壊され、気泡の衝突が断続的に続くと、
いずれ銅管に小さな穴(ピンホール)が発生し、漏水へと繋がります。
この現象を「潰食」といいます。
この他にも銅管内面に緑青が付着する事で保護皮膜を破壊し、やがて銅そのものに小さな穴(ピンホール)が発生する現象を「孔食」といいます。
また、補足ですが、熱応力や振動に起因する疲労割れにより漏水を起こす事もあります。
こういった漏水事故を防止する対策としては、耐食性・耐熱性の高い管種を新たに選定し、
新規に取替を行う方法などがあります。
耐食性・耐熱性の高い配管材料
- 合成樹脂管(架橋ポリエチレン、ポリブデン、塩化ビニールなど)
- 耐熱樹脂を内面被覆した鋼管(耐熱型塩ビライニング)
- ステンレス鋼管
この他の対策としては、現在の銅管の管内を抗菌塗料でコーティングし、古くなった給水・給湯管からのピンホールの発生を防止する工法もあります!!
銅管を利用した給湯管の場合、従来の樹脂ライニング材では、銅管が本来持っている銅イオンの抗菌効果が失われてしまいますが、
HSC工法では、ライニング材に独自開発の抗菌塗料を採用し、銀イオン効果で高い抗菌性能を維持しつつ、配管内部に付着する汚れを抑制する事が可能です。
通常工事よりコストが半減し、10年漏水保証もついて安心・安全・衛生的な工法です。
いかがでしたでしょうか。
水道水は生活の一部であり、蛇口やレバーをひねるとすぐに手に入れる事ができて料理や掃除、入浴等
簡単にできる毎日を過ごされている方がほとんどでしょう。
しかし、このライフラインが経年劣化や故障などで急に使用できなくなってしまったり、
錆びや汚れで不衛生な水が供給されてくる事を想像すると一大事です。
マンションやビルなどの給水・給湯管も定期的な点検や正しいメンテナンスを行う事で、急な漏水や濁り水の発生を防ぐ事ができます。
先ずはご利用のマンションやビルの管理会社等に確認して頂く事をおすすめします。
このコーナーでは様々な水廻りお役立ち情報をお届けしております。
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