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水道管にはどんな種類があるの?

水道管というと強固な金属製のものをイメージする方が多いかもしれません。
確かに以前は鉄製や鉛製のものが主流でしたが、その種類は様々で時代と共に日々進化しています。
その為、水道管を交換する際には予算や設置する環境に合わせて適切な素材の水道管を選ぶことが大切です。
今回は意外と知らない水道管の種類やそれぞれの特徴についてご紹介していきます。

水道管の種類

まず、以前は定番だったものの現在はあまり使用されていない2種類の水道管からご紹介していきます。

鉄管(鋼管)

鉄管は丈夫で耐震性がある為、長い間一般的な水道管の素材として大きなシェアを占めてきました。
しかし、サビやすく加工をするのに非常に手間がかかる事から現在はあまり使用されなくなっています。
サビが酷くなるとピンホールといわれる小さな穴が開き、そこから漏水に発展するケースが多くあります。
その為サビが発生しないポリ管やHIVP管のほうが選ばれるようになりました。

鉛管

鉛管は、水道が普及し始めた頃から使用されている古いタイプのものです。
こちらも以前はよく使用されていたのですが、他の水道管と比べて水漏れが多い事や水に鉛が溶け出すなどの健康面への影響が心配され、現在は取り替え作業が進められています。鉛管が使用されている場合、交換費用は自己負担となりますが自治体によっては補助金を受け取れる可能性がありますので一度お住まいの役所まで問い合わせてみる事をおすすめいたします。

上記でご紹介した2種類に代わって現在主に使用されているのが樹脂管や塩ビ管です。
水道管も時代と共に使いやすく劣化しにくい材質に進化していますのでここから詳しくご紹介していきます。

樹脂管(HIVP管・ポリ管)

現在最も使用されているのがHIVP管・ポリ管といった樹脂製の水道管です。
HIVP管は鉄管に代わり、近年よく使用されています。
HIVP管の正式名称は『耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管』と言い、プラスチック製の樹脂素材であるため、サビの心配がありません。
また、加工も比較的容易で、施工時や修理する際の費用が安価であるというメリットもあります。
一方で急激な温度変化に弱いため、冬場は水道管が凍結して水が出なくなってしまったり割れやすくなる恐れがあります。
また、夏場は熱の影響で水道管が劣化してしまう可能性があります。
熱で劣化が早まるため、給湯管には不向きとされています。
設置場所を選ぶためメリットが多い素材ではありますがすべてをHIVP管に変更することはできません。
こうしたHIVP管のデメリットを補える樹脂系素材がポリ管です。
正式名称は『ポリエチレン管』で、こちらも現在よく使われている素材です。
管と継手(配管同士をつなぎ合わせるもの)を、接着剤・テープ・ねじ等を使用せずに繋げられるため、
取付け・取外しが簡単で扱いやすく、熱や振動、化学物質の影響にも比較的強いというメリットがあります。
日本では地震が多いので振動への強さは安心材料になります。
ただし価格はやや高価で太陽光にさらされると割れやすくなるというデメリットがあります。
そのため、近年ではHIVP管とポリ管を場所や用途により使い分けることが多くなっています。

塩ビ管(VU管・VP管・HIVP管・HTVP管)

塩ビ管は鉄管よりも水流に対する抵抗が少なく、腐食しにくいといった特徴があります。
中でも優れた機能があるのがVU管・VP管・HIVP管・HTVP管の4種類です。

VU管

VU管は薄肉な造りで加工しやすいといった特徴があります。
そのため無圧管路に用いられています。また、低層住宅の排水部分や埋設の場合は下水・土木・排水などに多く採用されている水道管です。
ただし軽量で運びやすいものの、圧力には弱いため、中〜高圧管路用には不向きです。

VP管

VP管はグレー色で硬質の塩化ビニル樹脂で作られており、厚肉でたわみにくい特徴があります。
また、内面が滑らかであることから、摩擦抵抗が小さく粘性の高い液体が付着しにくいため、排水効率に優れた水道管でもあります。
一般的に圧力用の上農水道埋設用、または建築給水用に採用されることの多い水道管です。
耐火性・耐衝撃性・耐熱性に優れた性質であるため、集合住宅の排水・通気配管や浅埋設・深埋設の用途でも採用されます。
鉄管と比べて水流の抵抗が少なく、腐食に強いといった特徴があることから、給排水用の管として幅広い場所で使用されています。
ただし、直射日光などによって塩ビ管表面の温度が上がると、裏側との温度差により反りが発生しやすいため、管理方法には注意が必要となります。
この他にもグリーン色の耐火VP管もあります。
耐火VP管は火災時の延焼を防ぎます。集合住宅や店舗などの建物内の排水、汚水などの設備用に用いられています。
耐火VP管は内層・中間層・外層の3構造で作られており、内層と外層には従来の硬質ポリ塩化ビニル樹脂を使用しています。
中間層は耐火性硬質ポリ塩化ビニル樹脂を使用しています。
VP管と寸法や性能が同等で、軽量性にも優れており施工がしやすいといった特徴があります。

HIVP管・HI管

HIVP管・HI管は、耐衝撃性能を向上させた塩ビ管です。
主に寒冷地での使用や、施工時の外部衝撃による破損を防止する場面で使用されています。
従来の塩ビ管は、低温環境だと耐衝撃性が低下する傾向にありましたが、HI管は粘り強さがあることで、衝撃を吸収します。
また、優れた可とう性があり管軸・管側方向の荷重に対する接合部の信頼性も高く、地震に強い管路を構築できます。
ただし高性能であることから、配管コストがかかる点はデメリットです。

HTVP管(HT管)

HTVP管もしくはHT管と呼ばれる水道管は耐熱性に特化した塩ビ管です。
赤茶色で出来ているので他の管との違いが一目で分かります。
HTPV管はHIPV管よりも熱に強いため、その特徴を活かし給湯配管や冷暖房管、温泉の配管など幅広い場所で使用されています。
金属管とは違って錆や腐食の心配がなく粘り強さを持った塩ビ管で、衝撃を吸収するという特徴があります。
ただし、高性能な水道管であるため配管コストがかかる点はデメリットです。

その他の水道管

現在主に使用されている水道管をご紹介してきましたが、この他に「銅管」と「エルメックス管」という2種類の水道管がありますのでご紹介していきます。

銅管

銅管の特徴は熱に強い性質を持っている事です。
水道管として利用される事もありますが、その性質を生かして主に給湯管として使用されています。
ただし、接続する際にハンダ付けが必要となり施工に手間がかかるのがデメリットです。

エルメックス管

エルメックス管は水道管の中でも、比較的新しいタイプのもので導入されている実例はまだ少ないです。
エルメックス管は幅広い温度領域の中で使用できる為、熱にも寒さにも強いのが特徴です。
万が一、凍結したとしても割れにくい性質を持っているので、水道管が破裂したり、水が出なくなってしまう等のトラブルを避けることができます。
また、塩素水に対する耐久性も強いのが特徴でパイプも酸化しにくいため、安心して水を利用できます。
この他にも配管と継手の接続に「電気融着工法」と呼ばれる特殊な工法を使うといった特徴があります。
専用のコントローラ(電気融着器)を使用して電気の力で接合を行うもので、従来の工法と比べて水漏れしにくいという大きなメリットがあります。
こうした特徴から今後は更に普及していく事が予想されます。

いかがでしたでしょうか?今回は水道管の種類についてご紹介して参りました。
素材により特徴が異なり、また時代によって使用されるものが変化している事がわかりました。
水道管の劣化は様々トラブルの原因になりますので、耐久性や機能性が優れているものを選ぶ事をおすすめいたします。
リスクの軽減にも繋がりますので是非参考にしてみてください。

 

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