建物の配管から水漏れが発生したり、トイレやその他の排水口で詰りを起こすと業者がやってきて修理をしてくれますが、
では配管工事の施工にあたり、どのような資格が必要なのでしょうか?資格取得者しか施工はできないのでしょうか?
今回はそのような点を含めた配管工事について解説していきます。
配管工事とは
先ず配管とは、人々の居住地に必要不可欠な設備です。
また、水道、ガス、空調(ビルであれば消防設備も含む)なども生活に必要不可欠なものであり、共通してパイプを利用して敷設されています。
よって、配管工事といっても何を供給するためのパイプを敷設するかによって、分けられます。
では、主な管工事の5つをご紹介します。
1.ガス配管工事
一般的には都市ガスを供給するためのパイプを敷設する工事がガス配管工事です。
ガス漏れが起こると爆発の危険がある為、ガス配管は高い技術力を必要とする作業です。
また、医療現場で取り扱う酸素や窒素、さらに笑気といったガスを送り込むための配管工事もあります。
これら医療用ガスの為の配管工事は、「医療ガス配管工事」といわれます。
2. 防災設備配管工事(消化配管工事)
マンション・ビルなどの消防法により、スプリンクラーの設置が必要な建物の消火設備に使用するパイプを敷設する工事が防災設備配管工事です。
3. プラント配管工事
工場などで様々な物質を送り込んだり排出するために使用されるパイプを敷設する工事がプラント配管工事です。
特殊な物質を供給・排出することがあるため、高度な技術や知識が必要となる工事です。
4. 空調配管工事
一括空調システムを採用している戸建て住宅や、マンション・ビルなどでは建物内に空調管理のためのパイプが壁や天井、床下などに敷設されています。
これらの空調管理のためのパイプを敷設する工事が空調配管工事です。
冷暖房システムからの給気のみならず、換気における排気に使用するダクト工事も担います。
5. 衛生配管工事
水道や下水など水回りの衛生設備に関わるパイプを敷設する工事が衛生配管工事です。
水道本管から飲料用の水道水を各家庭に引き込む水道工事や、トイレから排出された汚水、浴室や洗面所、洗濯機、キッチンシンク等から
排出された雑排水を下水道本管に流し込む下水工事を指します。
衛生配管工事には水道本管や下水道本管の工事も含まれますが、水道本管からの接続と下水道本管への接続までを担うのが一般的とされています。
配管工の資格種類
配管技能士
給排水管、ガス管、空気清浄装置や冷暖房の換気設備など建築物の配管工事を行う技能を認定する国家資格です。
技能検定試験※では「建築配管作業」と「プラント配管作業」に区分され、3級から1級までの3段階に分かれます。
※一般的な建設現場や建築現場での配管工事を担うなら「建築配管作業」を選び、工場などプラント系の配管工事を担うなら「プラント配管作業」を選びます。
給水装置工事主任技術者
給水装置工事主任技術者は、給水装置工事を行う業者が水道事業者から指定を受けるために必須の国家資格です。
給水装置工事の技術管理や技術指導を行うのがその役割で、実際に施工をするという事ではなく、工事状況を把握し、
管理することができる資格です。(空調などの設備工事の管理はできません。)
【 給水装置とは 】
配水管から分かれて,各家庭に水を配る水道管を給水管といいます。
この給水管と止水栓,メータボックス,蛇口などの給水用具をまとめて「給水装置」と呼びます。
また、道路下に埋められている配水管の分岐から、家の中にある蛇口までの給水管や給水用具のことを指し、
給水管、止水栓、水道メーター、蛇口などがこれらに該当します。
【 給水装置工事とは 】
給水装置工事は、上記で説明した給水装置の新設、改修、撤去に関するすべての工事のことを指します。
工事は施工だけでなく調査や計画、検査などの過程も含まれます。
給水装置工事主任技術者はこういった工事のまとめを行う役割になります。
下水道排水設備工事責任技術者
各都道府県市区町村で実施される「排水設備工事責任技術者」試験に合格し、資格を登録された者のことを指します。
給水装置工事主任技術者が上水道の工事管理をするのに対し、下水道排水設備工事責任技術者は下水道や排水側の設備工事を管理するのに必要な資格です。
排水設備はトイレやキッチンなどの排水口から公共下水道の公共汚水桝までの、排水に関係するすべての設備のことを言います。
配水管や接続桝、雨水枡などがこれに含まれます。これらの設置や撤去などを行うのが下水道排水設備工事です。
管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、建設業が行う管工事の計画や管理の業務を行うのに必要な資格です。
施工管理技士国家資格のうちの1つで、国土交通省管轄の資格となり、区分は1級と2級があります。
1級管工事施工管理技士は建設業法により、特定建設業の営業所に置かなければならない専任の技術者や、
工事現場ごとに置かなければならない主任技術者および監理技術者になることができます。
監理技術者であり続けるためには更新が必要なので注意が必要です。
2級管工事施工管理技士は建設業法により、一般建設業営業所の専任技術者や、工事現場での主任技術者となることができます。
給水装置工事主任技術者と類似するように思われますが、管工事施工管理技士は幅広い管の工事に関する管理ができますが、
管以外の給水装置工事の管理はできません。(エコキュートなどの装置を設置する場合の管理には、管工事施工管理技士では不可。)
また、500万円以上の工事を行う場合には建設業許可が必要です。
このため高額な水道工事を行う場合には、工事管理とは関係なく、要件として管工事施工管理技士の資格を持っておく必要があります。
水道技術管理者
水道技術管理者は安全な飲用水を供給するために、水道の維持管理を行います。
すべての水道はこの水道技術管理者によって適切に管理されています。
水道工事が行われた後、それだけでは水道として使うことができません。
この資格を持った人を設置する事により、給水装置を水道として利用できるようになります。
配管工事を行う為には、必ず資格が必須なの?
正しく施工するための調査や検査は有資格者が行う必要があります。
しかし実際の配管工事は、無資格で経験がない方でも配管工そのものを行ってよいとされています。
よって、健康で体力に自信のある方であれば、経験者の側で配管工事の施工技術者見習いとしてスタートする事は可能です。
いかがでしたでしょうか。
配管の工事といっても様々な種類がありますね。
マンション・ビルなどをご利用の方は管理会社さんや大家さんによって建物が管理されているので、
ご利用の建物に問題を感じたら先ずは管理主さんへご連絡をしてみてください。
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