まだ寒さが残る時期は、温かい温泉にゆっくりと浸かり疲れを癒したいと思う方も多いのではないでしょうか?
温泉といっても様々な種類があり泉質や効能も異なってきます。
今回はそんな温泉の健康効果や意外と知らない泉質や効能の違いについてご紹介していきます。
温泉って身体に良いの?
温泉というと身体に良いイメージがありますが、具体的にどのような効果があるのでしょうか?
その効果は大きく分けて2つあり、1つは身体をあたためる温熱作用や水圧・浮力、清浄作用など物理的に働く効果で、
もう1つは温泉成分が皮膚を通して体内に吸収され、身体の機能が健康になる化学的効果です。
また日本には昔から温泉の効能で病気の症状改善や療養を行う「湯治」という言葉があり、奈良時代にはすでにその習慣があったとされています。
湯治には自然治癒力を高める効果があり、1週間以上の湯治は、慢性疾患(痛み・肌荒れ・疲れや・ストレス・うつなど)の様々な症状の改善や
療養に適していると言われています。本来湯治を行う期間は1~3週間が理想的とされていますが、
数週間温泉地に滞在するのはなかなか難しい事と思います。そこで近年提唱されているのが、現代版の「新・湯治」です。
これは、2018年から環境省主導で行われている、現代のライフスタイルにあった温泉の楽しみ方を推進する取り組みです。
従来の湯治は温泉に浸かりその効能で病気の治療や療養を行うものでしたが、
「新・湯治」は、温泉周辺の観光やアクティビティ等と湯治を組み合わせたもので心身のリフレッシュ効果が期待できます。
実際に環境省が行ったアンケート調査では、日帰りや1泊の湯治でも、多くの人がストレス解消や安眠効果・疲労回復・美肌効果・肩こりや腰痛・冷えの改善など
様々な効果を実感しています。
温泉に浸かる際のポイント
先程ご紹介したように温泉には健康促進効果がありますが、正しい入り方をしないと逆に体に負担をかけてしまう恐れがあります。
ここからは温泉に浸かる際のポイントをご紹介していきます。
<入浴前のポイント>
・温泉に浸かる前後には必ず水分補給を行う
温泉に浸かる前に水分補給をする事が大切です。
入浴中は体が脱水状態になりやすく、41度のお湯に15分程浸かると約800mlの水分が失われます。
脱水状態を防止するためには、入浴前後にしっかりと水分補給をしておく ことが大切です。
・かけ湯をしてから入浴する
突然熱いお湯に浸かると血圧が急激に上昇し身体に大きな負担がかかってしまいます。
冬場は特に脱衣場との寒暖差も大きく、ヒートショック等の危険もあるので必ずかけ湯をして体を慣らしてから入浴しましょう。
かけ湯を行う際は心臓に遠い部位から順番にゆっくりと行いましょう。
<入浴中のポイント>
・長時間の入浴は避ける
温泉に長時間浸かったり、連続して入ったりすると身体への負担が大きくなってしまいますので1日1回5分程度の入浴が望ましいといえます。
・入浴中はリラックスする
温泉に浸かっている時はご自身が一番リラックスできる状態でいる事が一番です。
ぼんやりと過ごしてみたり、景色を楽しみながら深呼吸してみるのも良いでしょう。
深呼吸で湯気を吸い込むと、鼻の粘膜や気管も潤います。
また、筋肉がほぐれ体が柔らかくなっているので軽いストレッチなどもおすすめです。
<入浴後のポイント>
・ボディークリームなどで保湿する
イオウ成分が含まれた温泉など泉質によっては肌が乾燥してしまう場合もあります。
入浴後はボディークリームなどをぬってしっかりと保湿しましょう。
・湯冷めに気を付ける
入浴後、体を拭いた後は、体が冷えないうちに服を着て湯冷めを防ぎましょう。
そうする事により、入浴によって上がった血行や体温が低下するのを防ぎ、温泉効果を持続しやすくなります。
しかし、汗が止まらない程暑さを感じる時は、汗がひくまで涼しい ところで休憩をし、脱水症状を防ぐためにもしっかりと水分補給をしましょう。
湯治で一番大切な事は心と身体をゆっくりと休める事です。
リラックスできる状態でのんびりと過ごしたり、温泉地周辺でゆっくりとお買い物や食事を楽しみリフレッシュしましょう。
温泉の泉質や効能の違い
温泉とは、「源泉の温度が25℃以上あるもの」または「地中から湧き出る水、水蒸気、その他のガスで、定められた規定量以上の化学成分を含むもの」
と温泉法で定義されています。源泉温度や含まれている化学成分、水素イオン濃度などによって様々な種類に分けられています。
その中でも、一定の成分を含み、特に療養に役立つ泉質を持つ温泉が「療養泉」です。
「療養泉」は鉱泉分析法指針に基づき、主成分によって10種類の泉質に分類されます。
温泉の泉質は単一ではなく、単純温泉を除く9種類のうち1つが主成分となり、ほかは副成分として組み合わされています。
泉質の中から、自分に合った温泉を探してみてはいかがでしょうか?
<10種類の療養泉>
・単純温泉
日本の温泉の中で、最も多い泉質がこの単純温泉です。
肌触りが柔らかく、癖がなく肌への刺激が少ないのが特徴で、子供からお年寄り、肌の弱い方も安心して入浴できる優しい温泉です。
効果が期待できる症状:自律神経不安定症、不眠症、うつ状態、冷え症など
主な温泉地:下呂温泉(岐阜県)・鹿教湯温泉(長野県)など
・塩化物泉
日本では単純温泉の次に多い泉質です。
塩分が主成分のため、味は塩辛く、色は無色透明です。
入浴することで皮膚に塩の成分が付着し汗の蒸発を防ぐので、湯冷めしにくいのが特徴です。
酸性の温泉で肌の角質を落とした後、塩化物泉に入ることで肌の乾燥を防ぐことができるので、「美人の仕上げの湯」とも呼ばれています。
効果が期待できる症状: 切り傷、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
主な温泉地: 熱海温泉(静岡県)・和倉温泉(石川県)など
・炭酸水素塩泉
『美肌の湯』と言われる代表的な泉質で、肌の角質や毛穴の汚れを乳化して洗い流すクレンジング効果があり、皮膚を滑らかにします。
また、不要な角質を取ることにより入浴後は皮膚からの水分の発散が高まり体温が放散されるので、「冷えの湯」とも言われます。
入浴後には肌が乾燥することがあるので、保湿ケアをしっかり行う事が大切です。
効果が期待できる症状: 切り傷、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症など
主な温泉地: 龍神温泉(和歌山県)・小谷温泉(長野県)など
・硫酸塩泉
塩化物泉と同様、温泉成分が肌に付着することで保温・保湿の効果が期待できます。
炭酸水素塩泉と同様に、入浴後には肌が乾燥することがあるので、保湿をしっかり行う事が大切です。
効果が期待できる症状:切り傷、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症など
主な温泉地:法師温泉(群馬県)・天城湯ケ島温泉(静岡県)など
・二酸化炭素
炭酸ガスを含む温泉で、日本では比較的少ない泉質です。
入浴すると全身に炭酸の気泡が付着し、皮膚から炭酸ガスが吸収されることにより血液の循環を促します。
そのため、温泉の温度が低くても体が温まりやすいのが特徴です。
心拍数をあまり上げずに血液の循環を良くする効果があると言われています。
効果が期待できる症状:切り傷、末梢循環障害、 冷え性、自律神経不安定症など
主な温泉地:長湯温泉(大分県)・湯屋温泉(岐阜県)など
・含鉄泉
鉄分を含む温泉で、湧き出したときは無色透明ですが、空気に触れることで温泉が酸化し茶褐色に変化します。
飲泉をすることで鉄欠乏性貧血に効果があると言われています。
効果が期待できる症状:鉄欠乏性貧血(飲用による適応症)・疲労回復、健康増進など
主な温泉地:有馬温泉(兵庫県)
・酸性泉
pH値が低く、その名の通り酸性度の高い温泉です。
殺菌効果が高いので、皮膚病に効果があります。
肌への刺激が強く、温泉成分によって肌が荒れる場合があるので、風呂上りには温泉成分が残らないように、
シャワーなどで体を洗い流しましょう。湯あたりをしやすいので注意が必要です。
効果が期待できる症状:アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、糖尿病、表皮化膿症
主な温泉地:酸ヶ湯温泉(青森県)・玉川温泉(秋田県)など
・含よう素泉
よう素を含む茶褐色の温泉です。強い酸化力による殺菌作用や、コレステロール値を下げる効果、動脈硬化の予防も期待できます。
よう素を過剰に摂取すると甲状腺肥大を起こすことがあるので、甲状腺機能亢進症の方は注意が必要です。
効果が期待できる症状:高コレステロール血症(飲用による適応症)・疲労回復・健康増進など
主な温泉地:白子温泉(千葉県)など
・硫黄泉
卵が腐ったような強い臭いが特徴です。殺菌作用が高く、アトピー性皮膚炎などの皮膚病に効果があります。
肌への刺激が強いので、入浴後にはシャワーなどで体に付いた温泉成分をしっかり洗い流しましょう。
効果が高い分、湯あたりをしやすい温泉でもあります。
効果が期待できる症状:アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症など
主な温泉地:草津温泉(群馬)・日光湯元温泉(栃木県)・箱根温泉(神奈川県)など
・放射能泉
ラドンを含む温泉で、微量な放射線で体に負担をかけることにより免疫力を上げる「ホルミシス効果」から、
「万病の湯」と呼ばれています。湯あたりを起こしやすいので、注意が必要です。
効果が期待できる症状:痛風・関節リウマチ・強直性脊椎炎など
主な温泉地:三朝温泉(鳥取県)・増富温泉(山梨県)など
入浴するだけで充分リフレッシュ効果は得られますが、それだけでなく泉質ごとの特徴を知り、自分にあった温泉を選ぶことでより効能を実感できると思います。
コロナ渦が続いており、なかなか遠方の温泉地へ赴く事が難しい現在ですが、そんな時にお家に居ながら簡単に温泉気分を味わう事が出来るのが入浴剤です。
日本の大手メーカーが出している入浴剤の多くは、効果が科学的に証明されています。
入浴剤の多くは温泉成分をもとに作られていて、以下のような有効成分が配合されています。
・炭酸ナトリウム
・炭酸水素ナトリウム(重曹)
・硫酸ナトリウム(芒硝) など
これらの成分が入った入浴剤は、温浴効果が高まり身体の芯まで温まるので、湯冷めしにくいのが特徴です。
また、疲労回復、肩のこり、腰痛、冷え性(冷え症)、にきび、しっしんなどの緩和といった効果・効能も期待できます。
また、入浴剤には塩素を除去する作用もあり、さら湯よりも入浴剤を使うほうが入浴時のメリットが多くなります。
入浴剤も様々な種類がありますが、医薬部外品や化粧品として登録されている成分が明らかなものを選ぶのがおすすめです。
いかがでしたでしょうか?今回は温泉の健康効果や泉質・効能の違いについてご紹介して参りました。
まだ寒い日が続きますが、温泉に行ったりご家庭で入浴剤を使用して温泉気分を味わって、体を温め気分転換をし、
心身共に健康にお過ごしください。
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